2026年8月26日
「むかし、帯状疱疹になったけど、ワクチンした方がいいですか?」

診察室でよくいただく質問です。
結論からいうと、帯状疱疹になったことがある方も、ワクチン接種を検討できます。
帯状疱疹は再発することがあります
帯状疱疹は、子どもの頃などに感染した水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が、体内で再び活性化することで発症します。
一度、帯状疱疹を発症すると免疫反応は高まりますが、それによって生涯にわたり発症しなくなるわけではありません。原因となるウイルスは治った後も神経節に潜伏しているため、加齢や病気、治療などによって免疫機能が低下すると、再び帯状疱疹を発症する可能性があります。
「一度かかったから、もう大丈夫」とは限らないのです。
予防したいのは、発疹だけではありません
帯状疱疹では、皮膚の発疹や水ぶくれとともに、ピリピリ、ズキズキ、焼けるような痛みが現れます。
さらに注意が必要なのが、皮膚症状が治った後も痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」です。衣服が触れるだけで痛む、夜眠れない、仕事や家事に集中できないなど、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
痛みは数か月で軽快することもありますが、年単位で続く場合もあります。
帯状疱疹ワクチンの目的は、帯状疱疹の発症だけでなく、このような長引く痛みを予防することにもあります。
一度かかった方にもワクチンを接種する意味があります
当院で接種している組換えワクチン「シングリックス®」は、通常2か月以上の間隔をあけて2回接種します。
厚生労働省によると、帯状疱疹に対する予防効果は、接種後1年で9割以上、5年で9割程度、10年で7割程度とされています。また、帯状疱疹後神経痛に対しても予防効果が報告されています。
ただし、ワクチンは現在発症している帯状疱疹や、すでに残っている帯状疱疹後神経痛を治療するものではありません。将来の帯状疱疹と、それに伴う痛みを予防するためのものです。
いつから接種できますか?
帯状疱疹を発症している最中には接種しません。皮疹が治り、全身状態が回復してから接種を検討します。
発症後に何か月待つかについて一律の決まりはありません。発症からの経過、年齢、基礎疾患、使用している薬、免疫機能の状態などを確認したうえで、適切な時期を判断します。
過去に帯状疱疹になったことがある方も、年齢や健康状態によっては自治体の接種費用助成を利用できる場合があります。
一度経験したからこそ、予防という選択を
帯状疱疹の強い痛みを経験した方のなかには、「あの痛みをもう一度経験するのは怖い」と話される方が少なくありません。
一度かかったからワクチンは不要なのではなく、一度経験したからこそ、繰り返さないための予防を考える意味があります。
大井町ペインクリニックでは、帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」の接種を行っています。過去に帯状疱疹になった方、接種時期に迷っている方、助成制度の対象になるか確認したい方は、診察時またはお電話でご相談ください。
帯状疱疹ワクチンの接種は電話予約制です
※ワクチンによって帯状疱疹の発症を完全に防げるわけではありません。
※接種後には、接種部位の痛みや発赤、筋肉痛、疲労、頭痛、悪寒、発熱などがみられることがあります。
※助成の対象条件や接種費用は、年度やお住まいの自治体によって異なります。
参考:厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html